狛江を巡りました
紀行文
見学会報告
9月10日(火) 「狛江を巡る」 担当(柏倉、坂本、門川、馬淵)
当日は、前日の台風一過にて南の暑い空気が流れ込み生憎の猛暑となったが、多くの元気な方の参加を得た。8時36分発の下りに乗車し、西国分寺、
府中本町、登戸にてそれぞれ乗換え、小田急線狛江駅で下車。狛江駅構内で点呼を行った。
最初に「むいから民家園」を訪れた。ここには狛江市内の古民家、旧荒井家住宅主屋と旧高木家長屋門が移築されている。民家園の職員の方に説明をしていただいた。「「むいから」とは麦藁のことで、狛江では茅葺屋根に一部麦藁を使用していたので「むいから屋根」と呼ばれていました」、「旧高木家長屋門内には機織り機が展示されていますが、この機織り機はテレビ番組「やすらぎの刻~道」にてロケに使用されました」など。次に兜塚古墳を訪れた。ここは都指定史跡で、墳丘の残存直径約43m、高さ4mの円墳で、多くの古墳が残る狛江地域の中でも保存状態が良好な古墳である。幸い墳丘頂へ登ることが出来、多くの参加者が登頂し古墳の大きさを実感した。
その後は、この古墳からほど近いところにある伊豆美神社を訪れた。寛平元年(889年)に建てられた古社であり、もともとは多摩川沿いにあったが天文19年(1550年)の洪水で流失し、現在地に移転している。宮司には事前に説明をしていただく予約をしていたが、境内の説明に加え、拝殿内に上がらせていただき鏡や格天井に描かれた歌など、神社の由緒含め詳しい説明をしていただいた。最後に参詣の土産もいただいた。
次に、多摩川近くに移動し玉川碑(万葉歌碑)を訪れた。江戸時代に建てられたが、文政2年(1829年)の洪水で流失。大正13年に拓本を元に現在地に建てられたものである。そして多摩川沿いにある水神社を訪れた。この神社は、天文21年(1550年)の洪水により流失した元の伊豆美神社があったとされる場所にある。その後狛江駅に戻り、駅周辺で各自自由に昼食をとった。
午後は、狛江駅のすぐそばにある泉龍寺を訪問。東大寺開山の良弁(ろうべん)僧正草創と伝わり、現在は曹洞宗の寺院となっている。昭和19年までは「まわり地蔵」と呼ばれた各地域を回る巡行仏が有名であった。事前に拝観と案内の予約をしており、前住職から説明をいただいた。非常にきれいな本堂内、清楚な境内と墓所、そして平成23年に開館した泉龍寺仏教文庫(仏教関係の書籍の他、泉龍寺伝来の文化財を収蔵している)も見学、それぞれ丁寧に説明していただいた。前住職は仏教における学識が非常に深く、またお話も大変上手であった。(後で知ったことであるが、前住職(菅原昭栄氏)は東大史料編纂所の教授を務めた歴史学者であり、現在も私立大学の教授を務めている)
猛暑のため泉龍寺で解散。当初予定していた泉龍寺別院、弁財天池は希望者のみの見学とし、午後4時ころ小金井に帰着。 (参加者46名)