杉並の南部を巡りました

紀行文

3月12日(火)「杉並の南部を巡る」            担当(馬淵、森、柏倉、佐藤(夕))
急に暖かくなり好天に恵まれ、絶好の春の見学会日和となった。天候が良かったせいか多くの方の参加を得た。
武蔵小金井駅8時42分の上り始発に乗車し、吉祥寺経由で井の頭線永福町にて下車。最初に訪れたのは杉並区立郷土博物館。若い学芸員の方から常設展示と庭の移築古民家について、丁寧な説明をしていただいた。杉並区は、善福寺川や神田川など多くの河川が東流していることから、古代から中世、近世、近現代まで人々の営みが継続しており旧跡が多いが、説明を聞いてよく理解できた。この付近一帯は善福寺川両岸に広がる広大な和田堀公園となっており、博物館を出た後に公園内の各所を訪れた。松ノ木遺跡は、非常に多くの縄文時代から古墳時代の住居跡が埋まっているが、現在は松ノ木中学校などが建っており遺跡の雰囲気はないものの、復元住居が展示されている。残念ながらコンクリート製であった。その後、バードウォッチングが出来る和田堀池をゆっくりと一周し、大宮遺跡を訪れた。ここは高台にあり当時から神聖な祭祀域であり、時を経て大宮八幡宮の境内と重なっている。隣の大宮八幡宮は広大な境内を有し、社殿も非常に立派である。八幡宮を出た後は西永福駅まで歩き吉祥寺経由で荻窪駅へ移動、12時10分着。駅周辺で各自昼食をとっていただいた。
午後は13時20分に再開。先ず明治天皇荻窪御小休所を訪れた。明治天皇は何度かここを利用されたが、明治16年4月23日観桜のために小金井へ行幸された折もここで休息されており、小金井とは縁のあるところである。
次に訪れたのは大田黒公園。音楽評論家であった大田黒元雄氏の邸跡で、広い日本庭園が保存・維持されておりゆっくり散策できた。池には小千谷市から贈られた立派な錦鯉が泳いでいる。レンガ色の瀟洒な記念館の前で集合写真を撮った。公園敷地の隣では現在3階建ではあるがマンション建設中で、景観の面で少し残念である。歩いて5分ほどで角川庭園に到着。ここは角川書店の創始者である角川源義氏の旧宅を杉並区が寄贈を受けて改修し公開している。職員の方から庭園について詳細な説明をしていただいた。庭に実っていたキンカンを「皆さんどうぞ食べてください」と言われビックリ。おいしくいただいた。庭の片隅にある水琴窟は、雅な音色を出していた。
その次に訪れたのは荻外荘である。ここは、首相を3度務めた近衛文麿が昭和12年から住み始め、多くの重要な政治会談を行った場所で、政治に関する遺跡として国の史跡に指定されている。邸の周りは残念ながら金網の柵で囲われておりそばには近づけない。当時の客間や応接部分を含む邸宅の一部は、現在豊島区に移築されているが近い将来再移築し、元の姿に復元する計画が進んでいるようである。邸の南側には当時大きな池があったが、今は子供が遊ぶ芝生となっている。
(皆さんかなり歩いて疲れていたため、この後予定していた与謝野公園はパス)
最後に訪れたのは光明院。この寺の辺りは、昔は「荻」が生い茂っており荻寺と呼ばれ荻窪の名の由来になったといわれている。現在は残念ながら荻寺の面影はない。境内で終了式を行い、荻窪駅で解散。武蔵小金井駅には16時20分頃帰着。                  (参加者 61人)

2019年03月12日